介護を本当にやりたい人を支援するということにならないと長続きしないし、下手をすると、より専門化している介護チlムから浮いた存在になってしまいます。その点では日本がつくった社会福祉士及び介護福祉士法は、福祉と医療の連携規定をもうけるというユニークなものになっています。そのなかには福祉専門家である社会福祉士、介護福祉士に対して、医師や看護婦が行う業務独占の分野のことはしてはいけないという入念規定、言わなくてもわかっているだろうけれど、念のために書いておくという、そんな項目もありますが、とにもかくにも医療従事者と連携協力してことを進めるようにと法律が規定しているのです。連携規定が明記されているのは世界でも日本だけで、専門職の資格では社会福祉士及び介護福祉士法だげだと思います。こうして各国の状況を比較検証してみると、要するに物事の発展というのは固によって非常に進んだところもあれば、遅れている面も多々あるといったように、きわめて多様でかつ蛇行的に流れているということです。日本の福祉は高齢者介護を中心にここ十年で劇的に大きく変わってきました。それでもまだ全体として、水面は大波小波の上下の差があって相対的には高いとはいえないかもしれないが、制度の構築と人材の育成はかなりのレベルに到達しています。ですから、これがフル回転し始めたら、すごいことになる。一二世紀の遅くない時期に、日本はきっと世界のお手本になる。そう私は思っています。工業・電子などの産業分野で日本化(ジャパナイゼlシヨン)が世界の経済人から関心をもたれているのと同様に、新たな介護システムの構築を通じて、わが国が世界の介護先進国の仲間入りをし、保健福祉の分野でもジャパナイゼlシヨンが一一一世紀に関心を呼ぶことになればと願っています。⑨十年ほど前のことですが、福祉はカネ食い虫だとさんざん批判されたあげくに、行財政改革という激しい嵐に吹かれたことがありました。ゴルフでいうとアゲンストの風をまともに受けたようなもので、そのとき政府は、生活保護や社会福祉施設に対する国の自治体への補助率についての予算をすべて一割カットし、その一割分を地方自治体にいっとき負担してもらうという苦しい手を打ちながら耐えたものです。その当時を思えば、高齢化の進んだ今は順風、フォローの風に乗っているような感じさえしかぶとます。ま、そういうときこそ兜の緒をしめなおしたほうがいいのですが。